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記事: ゴールデン・ヒーローズ|ザック・ズブレナがパラリンピック選手を黄金に輝かせる理由

Gold-painted figure seated cross-legged, arms folded around a bowed head into a sculptural knot, against black. Photo by Zack Zublena.

ゴールデン・ヒーローズ|ザック・ズブレナがパラリンピック選手を黄金に輝かせる理由

ゴールデン・ヒーローズ:黄金に輝く、生きた芸術作品

京都の寺院に差し込む柔らかな光。奈良の仏像がたたえる静かな威厳。金箔が生み出す繊細な輝き。日本の美術文化において、金は古くから、単なる富の象徴を超えた特別な存在でした。

その輝きは、時代や国境を越えて、人間の精神性や美しさを表現してきました。

では、その黄金の光を、現代を生きるパラリンピック選手の身体にまとわせたら、私たちは何を見るのでしょうか。

フランス系アメリカ人アーティスト、ザック・ズブレナが構想する「ゴールデン・ヒーローズ(Golden Heroes)」は、この問いから始まります。

本プロジェクトは、ザック・ズブレナ、歌手のエマニュエル・ケリー、パラリンピック競泳選手のアハメド・ケリー、タイラー・コロドニーによって進められている国際的な芸術構想です。

正式なプロジェクト名は「Golden Heroes: The Ultimate Line Breakers」。写真芸術、音楽、パラスポーツを結び、身体の多様性と人間の美しさに対する既成概念を問い直します。

目指しているのは、言葉によって人々を説得することではありません。美しさとの出会いによって、見る人の認識を変えることです。

ミロのヴィーナス:失われた腕ではなく、そこにある美しさを見る

ルーヴル美術館に所蔵される「ミロのヴィーナス」を思い浮かべてください。

腕を失った古代ギリシャの彫刻でありながら、その美しさは二千年以上の時を超えて、世界中の人々を魅了しています。

私たちはこの彫刻を前にしたとき、失われた部分だけを見つめるでしょうか。

いいえ。大理石の曲線、身体の均衡、表情の静けさ、そして石の内部に息づいているかのような生命力に心を奪われます。

私自身、彼女の姿を見つめるたびに、頬の曲線、小さな耳の繊細な形、鼻の造形といった、普段は意識しない身体の美しさに気づかされます。

ミロのヴィーナスは、1820年にギリシャのミロス島で発見され、現在はパリのルーヴル美術館を代表する作品の一つです。ルーヴル美術館の解説から、その歴史と造形美に触れることができます。

彼女の腕は復元されていません。しかし、その芸術的価値が失われることはありませんでした。

この作品は私たちに問いかけます。

美しさは、本当に決められた身体の形によって定義されるのでしょうか。

日本の美意識と黄金:京都、奈良、そして光の芸術

日本の読者にとって、黄金と美術の関係は決して遠いものではありません。

京都の金閣寺、金箔を用いた屏風絵、寺院の荘厳な装飾。日本の美術史において、金は光を受け止め、空間そのものの印象を変える素材として用いられてきました。

金箔が施された屏風は、鑑賞者の立つ位置や周囲の明るさによって異なる表情を見せます。

この光と表面の関係は、私の写真制作にも深く通じています。

私は実際の人物の身体に反射性のある金色のボディペイントを施し、照明を細かく調整することで、筋肉、輪郭、動作を彫刻のように浮かび上がらせます。

日本の美術史に触れる入口として、東京国立博物館の日本美術コレクションや、京都国立博物館が紹介する文化財は、豊かな視点を与えてくれます。

また、奈良の東大寺に代表される仏教彫刻の伝統は、人体の表現が単なる解剖学的再現を超え、精神性や威厳を伝え得ることを思い起こさせます。

もちろん、私の作品は宗教的な仏像を再現するものではありません。

しかし、光によって人間の存在感を際立たせるという点で、日本の美術文化と対話できると考えています。

ミケランジェロ:未完成の身体が語る生命力

イタリア・フィレンツェには、ルネサンス彫刻の巨匠ミケランジェロが残した、忘れがたい作品があります。

アカデミア美術館に展示される「奴隷像」と呼ばれる未完成の彫刻群です。

「アトラス」「目覚める奴隷」「髭の奴隷」などの人物像は、大理石の塊から抜け出そうとしているかのように見えます。

身体の一部はまだ石に包まれています。それでも、筋肉の緊張や姿勢から、驚くほど強い生命力が伝わってきます。

日本の「余白」や「未完」の表現に美を見いだす感性から眺めても、これらの作品は興味深いものです。

完成していないからこそ、見る人の想像力が働く。すべてが明示されていないからこそ、深い感情が生まれる。

私は、こうした彫刻に、人間の身体を一つの固定された理想に閉じ込めない芸術の可能性を感じます。

ロダン:身体の形を超えて伝わる動き

彫刻家オーギュスト・ロダンの「歩く男」には、頭部も腕もありません。

それでも、作品からは前へ進む身体のエネルギーが伝わってきます。

一歩を踏み出す脚、身体の重心、筋肉の緊張。その造形が、見る人の中に動きを生み出すのです。

この作品は、メトロポリタン美術館の作品紹介でも見ることができます。

東京・上野の美術館を巡り、西洋彫刻と日本美術の双方に親しむ鑑賞者にとっても、ロダンの表現は身体の美しさを考える重要な手がかりになるでしょう。

古代ギリシャ、ルネサンス、近代彫刻。

時代は異なっても、優れた芸術家たちは繰り返し、人間の身体をどう見るべきかという問いを投げかけてきました。

私はその対話を、現代の写真芸術によって続けたいのです。

ゴールデン・ヒーローズ:ここでは彫像が呼吸している

ゴールデン・ヒーローズは、偉大な彫刻の歴史につながる芸術構想です。ただし、一つだけ決定的な違いがあります。ここでは彫像が呼吸しているのです。

黄金に輝く人物が、古代の神々やルネサンスの傑作を思わせる威厳をもって立っている場面を想像してください。

近づいてみると、その人物が神話の登場人物ではなく、現代を生きるパラリンピック選手だとわかります。

そこには、それぞれ異なる人生、競技経験、個性、身体の使い方があります。

私は、障害のある身体を哀れみの対象として描きたいのではありません。

また、障害があるという理由だけで、その人を英雄として扱いたいわけでもありません。

一人ひとりが持つ競技能力、鍛錬、存在感、個性を、芸術作品として正面から表現したいのです。

2016年以来、私はダンサー、ヨガ実践者、コントーショニスト、舞台表現者、アスリートを金色に彩り、光によって身体を彫刻のように表現してきました。

撮影するのは、実在する人間です。姿勢も動作も実際のものであり、光の反射や構図を丁寧に作り上げています。

ゴールデン・ヒーローズで予定しているパラリンピック選手の撮影は、現時点ではまだ始まっていません。しかし、これまでの作品が、その新しいシリーズの視覚的な基盤となります。

目指しているのは、単なるスポーツ写真ではありません。

人間の多様な美しさをたたえる、現代の肖像芸術です。

なぜ金色なのか:古代文明から日本の金箔文化、そして金メダルへ

メソポタミアから古代エジプトの宝物、インカ文明、そして24金の金箔によって輝きを与えられたイタリア・ルネサンスの宗教美術に至るまで、金は何千年もの間、光、神聖さ、不滅性、権威を象徴してきました。

太陽の輝きや生命を育む力とも結びつき、金は人間が特別な価値を見いだすものを表現するために用いられてきたのです。

日本でも、金箔や金泥は絵画、工芸、建築装飾などに豊かな表現をもたらしてきました。

そして現代では、卓越した競技成績をたたえる最高のメダルが「金メダル」と呼ばれます。

しかし、私の作品において金色は、富や社会的地位を意味しません。

それは人間の身体を新たな光の中に置くための芸術言語です。

金色が彼らに偉大さを与えるのではありません。すでに存在する偉大さを、金色によって浮かび上がらせるのです。

日本のパラスポーツと、東京2020からロサンゼルス2028へ

日本では、東京2020パラリンピック競技大会を通して、多くの人がパラスポーツの競技性、技術、戦略、そして選手一人ひとりの魅力に触れました。

車いすバスケットボール、競泳、陸上競技、ボッチャなど、さまざまな競技が注目を集め、障害のあるアスリートを取り巻く社会的な対話も広がりました。

日本のパラスポーツについて詳しく知りたい方には、日本パラリンピック委員会と日本パラスポーツ協会が信頼できる情報を提供しています。

こうした競技団体の活動と同様に、芸術にも、人々の関心や理解を深める独自の役割があると私は考えています。

日本では、文化庁による障害者等の文化芸術活動推進事業を通して、創作、鑑賞、発表の機会を広げる取り組みが進められています。

ゴールデン・ヒーローズは、こうした取り組みと問題意識を共有しながらも、異なる角度から問いを投げかけます。

もしパラリンピック選手の肖像が、古典彫刻と同じような壮大さで美術館に展示されたら。

もしその姿が、競技場だけでなく、東京、京都、大阪、横浜、名古屋、福岡などの文化空間でも紹介されたら。

人々の視線には、どのような変化が生まれるでしょうか。

美しさによって認識を変える:言葉を超えた芸術の力

芸術は、人間の価値観を変えてきました。

古代文明は神々を彫刻に表し、ルネサンスの芸術家たちは人体の美を探究し、近現代の作家たちは従来の美の基準に問いを投げかけました。

今、私たちには、その表現の幅をさらに広げる機会があります。

私は、人々に何を見るべきかを指示する作品を作りたいのではありません。

まず、その美しさに心を奪われてほしいのです。

そして、その人物がパラリンピック選手であると知ったとき、最初に抱いた感動が、身体や障害に対する先入観を静かに揺さぶるかもしれません。

私が長年追い求めてきたのは、言葉による説得ではなく、美しさによる認識の変化です。

作品は、見る人に答えを押しつけません。

ただ立ち止まり、感じ、驚き、自分自身の目で見つめ直すことを促します。

そこにこそ、芸術ならではの力があると信じています。

ロサンゼルス2028:22人のパラリンピック選手を黄金の肖像へ

ゴールデン・ヒーローズが生まれようとしている場所は、ロサンゼルスです。

私はイタリアにルーツを持つフランス系アメリカ人アーティストとして、18年間ロサンゼルスを芸術活動の拠点としてきました。

多様な文化が共存し、個性や創造性を尊重するこの街で、私の黄金の人物像は独自の表現へと発展してきました。

2028年、ロサンゼルスはパラリンピック競技大会を開催します。大会日程は2028年8月15日から27日までと発表されています。

この歴史的な機会に向け、私たちは22人のパラリンピック選手を撮影するシリーズを構想しています。

プロジェクトには、国際アンバサダーを務める歌手エマニュエル・ケリー、パラリンピック競泳選手である兄弟のアハメド・ケリー、そしてタイラー・コロドニーが参加しています。

エマニュエルは2011年の「Xファクター」出演映像で多くの人々の心を動かしました。その後も音楽活動を続け、2025年にはコールドプレイとの共演も果たしています。

計画では、2027年に撮影制作を開始し、2028年の大会期間に合わせて大規模な写真展示や屋外広告による発表を目指しています。

黄金の人物像が、ギャラリーの中だけでなく、街の風景の一部となる。

それは、競技場の外でも選手たちの存在と魅力に出会える、新しい芸術体験になるでしょう。

東京、京都、大阪へ:日本の美術館や文化施設との未来の対話

パラリンピックは数週間で幕を閉じます。しかし、そこで生まれた文化的な対話は、何年にもわたって続けることができます。

私たちはゴールデン・ヒーローズを、一度きりの展示ではなく、世界各地を巡る芸術シリーズとして構想しています。

長期的には最大20か国を視野に入れ、美術館、ギャラリー、文化施設、公共空間などで作品を紹介する可能性を探っています。

日本は、その対話が特に豊かになり得る国の一つだと感じています。

東京の現代美術、京都の伝統美術、奈良の彫刻文化、大阪の活発な芸術シーン。

それぞれの都市には、身体、光、造形、美しさを異なる角度から受け止める文化的な土壌があります。

例えば、東京の東京都現代美術館が紹介する現代美術の世界と、日本の伝統的な金箔表現を並べて考えるだけでも、新たな視点が生まれます。

将来、日本の文化施設やアートコレクターと、このプロジェクトについて対話できることを願っています。

なお、日本での展覧会や巡回日程は、現時点で決定しているものではありません。

日本のメディア、企業、文化機関との新しい可能性

パラスポーツと文化芸術の関係は、スポーツ専門メディアだけでなく、社会、文化、教育、企業活動にもつながるテーマです。

日本では、NHK、朝日新聞、読売新聞、日本経済新聞などの主要メディアが、社会、文化、スポーツに関する情報を幅広く発信しています。

ゴールデン・ヒーローズもまた、芸術、スポーツ、社会における身体の多様性、そして国際文化交流を横断するテーマとして、幅広い対話につながる可能性があります。

私たちは現在、このビジョンに共感する企業スポンサー、財団、文化機関、個人のパトロン、アートコレクター、制作パートナーとの対話を歓迎しています。

支援の形は、資金協賛、制作協力、展示パートナーシップ、技術提供、国際的な文化交流など、多岐にわたります。

日本の企業や文化機関にとっても、スポーツの卓越性と芸術の創造性を結びつける国際プロジェクトに参加する機会となり得ます。

プロジェクトへの協賛、取材、展示協力、コレクションに関するお問い合わせは、ザック・ズブレナへのお問い合わせからご連絡ください。

美しさを、もう一度見つめ直す

私の願いは、とてもシンプルです。

黄金に輝く人物像を前にした人が、ほんの一瞬でも足を止めてくれること。

ミロのヴィーナスやミケランジェロの未完成彫刻、ロダンの作品を前にしたときのように、静かな感動を覚えてくれること。

そして、その人物が誰であるかを知ることで、人間の身体や美しさについて、これまでとは少し違う見方が生まれること。

美しさとは、すべての人が同じ形になることではありません。

それぞれの存在が持つ、かけがえのない輝きです。

型にはめられた美しさではなく、一人ひとりの個性から生まれる美しさ。

欠けているものではなく、そこに存在する力。

単なる受容を超えた、心からの称賛。

ゴールデン・ヒーローズは、人間を新しい光の中で見つめるための招待状です。

ゴールデン・ヒーローズ。生きた芸術作品。黄金の光が照らし出す、人間の偉大さ。

ザック・ズブレナ
フランス系アメリカ人写真芸術家・マルチメディアアーティスト
公式ウェブサイト

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Ahmed Kelly

ゴールデン・ヒーローズ:エマニュエル・ケリーとザック・ズブレナが描く、身体の美とパラリンピックの新たな地平

ゴールデン・ヒーローズは、ザック・ズブレナ、エマニュエル・ケリー、アメッド・ケリー、タイラー・コロドニーを結びつけます。エマニュエルをグローバルアンバサダーに迎え、LA2028に向けたゴールドのポートレートを通じて美とパラリンピックの卓越性を称えます。

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